ヴィヴォの物語
バゲットはその店の店主の想いが一番詰まったパンだと思います。
最初にヴィヴォをオープンしたとき、まずはバゲットの小麦粉選びから始まり、江別製粉のタイプERという粉にたどり着きました。今でもずっとバゲットにはこれを使ってます。
それからフランス産のイーストとゲランドの塩、ユーロモルト、水、たったこれだけのシンプルなパン。
毎日、同じ製法で作っても毎日違う表情を見せる不思議なパンなんです。
最近ではイーストの量を少しだけ変更しましたが、同じ日に同じ時間で同じ様に作った生地でも、発酵箱ごとに微妙ですが違う物が出来上がります。
本当に不思議なパン。
だけど、それが面白い。
つくり手の感覚、技術、センス、どんなパンを作りたいか、という思い全てが詰まっています。
オープン当初のヴィヴォのバゲットは今のものとは随分と違い、とっても硬く、塩味も効いていました。
焼き色もキツめで、でもとっても香ばしく小麦粉味のあるパンでした。
当時、ヴィヴォのサンドイッチはバゲットサンドだけでした。
他でも買えるようなパンは置きたくなかったから。
こだわりの詰まった、香ばしくてザクザクした個性的なサンドイッチ。
お店を始めてまだ数ヶ月だった頃だと思います、スタッフから、お客様からこんな電話があったと伝えられました。
それは、日光に住んでいるという、とあるお婆ちゃんから。
「今日、おたくのサンドイッチを食べたけど、とっても美味しかったよ。ありがとうね」
たったそれだけだったけどメチャメチャ嬉しかった。
忘れられない電話です。
そんな思い出が詰まったヴィヴォのバゲット、よかったら一度食べてみてください。